-Discharming manとMOOSのスプリットレコード、レコ発東京編に寄せて-

レコ発東京編が、8月31日(日)の昼に迫っている。
スガナミユウ 2025.08.27
誰でも

私がギターで参加しているバンド、MOOSは2021年に結成された。

自分が関わるバンドの中では珍しく、MOOSは「PUNK」を標榜して始めたバンドだ。(もちろん、他のメンバーにはそれぞれの認識があると思うけれど。)

なぜ標榜したかには理由がある。コロナ禍の混乱の中で、「もう一度、一から場を作り直すんだ」という思いがあったからだ。

同時期、私は社会運動の場でさまざまな人と出会い、多くのことを教えてもらった。フェミニズムについて、気候危機について、入管で起きていること、自分が持つ特権性について、など。

その時の自分には、場所的にも音楽的にも、

「マチズモを削り取った先にあるPUNK表現」

が必要だった。

その頃から、MOOSのメンバーに限らず、このことを互いに話せる人が少しずつ周りに増えていった。

正確に言えば、それを自分に話してもらえるようになったのだ。自分自身が変わっていく姿を、見てくれていたのだと思う。

バンドとしての軸足ができ始めた頃、札幌でDischarming manとの邂逅があった。私たちを札幌に呼んでくれたハナマツさんには、今でも深く感謝している。

その時に観たDischarming manのライブは、まさに私たちがMOOSで模索していた表現の最先端だった。東京と札幌という異なる土地で、同じ時期に、似た問題意識を持った音楽が生まれていたのだ。

これは、Discharming manとMOOSの音楽性が似ている、という話ではない。前述したように、自分たちが抱えているものや、表現すべきことを語り合える人を見つけた感覚に近い。

この二つのバンドが表現しているものは、人によっては理解しがたく、受け入れがたいかもしれない。

それでもなお、曲を作り、詞を書き、音楽として残すべき必要があると感じている。

この音楽たちは、自分たち自身への問いかけであり、私たちの内面とのたたかいでもある。

それは未来であり、同時に自分たち自身のためでもある。

このスプリットレコードが生まれたのは必然だ。進むための、そして振り返るための「シルシ」だと感じている。

それはまた、この作品をリリースしてくれたLIKE A FOOL RECORDS・辻くんとの「シルシ」でもある。

生き続けるために、私たちは鳴らすことを選ぶ。

8月31日(日)昼、場所は下北沢LIVE HAUS。

この二つのバンドを、ぜひ目撃してほしい。

Discharming man / MOOS 

split record release LIVE

at 下北沢LIVE HAUS

2025.08.31 sun

open 12:30 / start 13:00

ADV ¥2,500 + 1drink

DOOR ¥3,000 + 1drink

reservation :

livehausticket@gmail.com

※8/31のイベントフライヤー。各バンドのロゴとイベント概要の文字情報が記載されている。

※8/31のイベントフライヤー。各バンドのロゴとイベント概要の文字情報が記載されている。

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